高野山は、紀伊半島紀ノ川の南に位置し、蓮の花のように八葉の峰々に囲まれた平原の聖地です。弘法大師は、弘仁7年(816)に真言密教の根本道場とするため、嵯峨天皇に高野山下賜の誓願を上表されました。これに対し嵯峨天皇は高野山下賜の太政官符を下され、七里四方の山林を弘法大師に与えられました。高野山の真言密教の聖地としての歴史はここから始まります。
来る平成27年は、悠久の星霜を経て高野山開創1200年に相当いたします。同年4月2日から5月21日までの50日間「生かせ いのち 大師のみおしえ いまここに」のテーマのもと、高野山開創1200年記念大法会を執り行います。
「生かせ いのち 大師のみおしえ いまここに」
高野山(和歌山県)は、弘法大師空海・お大師さまが、中国から真言密教を日本に持ち帰り、僧侶が修行するための道場として、弘仁7年(816)にお開きになられた聖地です。
海抜800メートルの深山にして、周囲を峰々に囲まれ、まるで八葉の蓮華の花びらに包まれたかのようなこの地に、伽藍を整え仏さまの世界である曼荼羅浄土を示されました。
お大師さまは自らがご入定(永遠の瞑想/禅定)の地と定め、承和2年(835)3月21日、「この世に身を留め、未来永劫に人々を救い続けます」(「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん」)との壮大なご誓願のもと、高野山奧之院にご入定なされました。
高野山金剛峯寺は元々高野山全域を総称する山号寺号でした。高野山の中でも信仰の中心となる聖域が、大伽藍と奧之院です。弘法大師御廟のある奧之院は、一の橋からの2キロの参道に樹齢数百年もの杉木立があり、20年基以上ともいわれる名だたる武将・諸大名をはじめ多くの方々の墓碑が建立され、お大師さまの遺徳をたたえています。
また、根本大塔をはじめ高野山の総本堂である金堂などの諸堂が建ち並ぶ大伽藍では、天保14年(1843)に消失した中門の再建を計画しています。中門の再建は、お大師さまが構想された修行道場としての伽藍整備事業のみならず、お大師さまのご誓願を実現するために、最も重要で不可欠な事業です。
高野山開創以来、多くの僧侶が修行し教えと文化を継承しています。現在、117の寺院と商店が一体となった町が形成され、52の宿坊があり、宿坊での勤行、精進料理、写経や瞑想の修行体験や、5万点にもおよぶ文化財を有する霊宝館では高野山の歴史や文化に触れていただくことができます。
平成27年、高野山はお大師さまがご開創され1200年目の記念すべき年を迎え、「高野山開創1200年記念大法会」を執り行い、この大法会を契機として、お大師さまのみおしえを今に受け継ぎ、次世代に継承すべく事業を進めています。
高野山開創1200年記念大法会ロゴマーク
「ロゴマーク」は、1200年の歴史を感じさせる荘厳で美しい高野山の環境と精神性をモチーフに、豊かな自然曼荼羅のような宇宙観のある作品が選出されました。
マークのデザインの中央には、大法会の記念事業として、伽藍に建設予定をしております『中門』を配し、聖地、密教の精神性、祝典、高野山の自然、いのちの輝きをイメージしています。
作者:(静岡県)加藤和弥 様 76歳
(参照サイト:http://www.town.koya.wakayama.jp/)
高野山開創1200年記念大法会マスコットキャラクター
「マスコットキャラクター」の「こうやくん」は、修行僧(高野聖)をモチーフとして、人間的な暖かみのある作品が選出されました。
現在、高野山だけでなく全国各地を行脚し、記念大法会のPR活動を行っています。
作者:(東京都)立志哲洋 様 58歳
(参照サイト:http://www.town.koya.wakayama.jp/)
高野山開創1200年記念大法会記念事業
奥之院周辺整備
- ・弘法大師御廟屋根檜皮葺替工事
- ・奥之院燈籠堂改修工事(平成21年2月28日完成)
- ・参道整備工事
- ・司馬遼太郎文学碑建立(平成20年9月24日建立)
伽藍周辺整備
- ・中門再建事業
- ・伽藍御供所改築工事(平成18年12月8日完成)
- ・勧学院整備工事(平成19年3月31日)
その他
- ・高野山大学松下講堂黎明館建設工事(平成18年10月1日完成)
- ・総本山金剛峯寺大主殿屋根檜皮葺替工事(平成18年12月8日完成)
- ・高野山大師教会大講堂改修工事
- ・各種の特別報恩伝道
- ・記念出版